お知らせ

2017年9月27日
一般社団法人ICT-ISAC

異常な経路情報への早期発見・対応に向けた取り組みについて

一般社団法人 ICT-ISAC(アイシーティ・アイザック)【所在地:東京都港区、理事長:齊藤忠夫、以下、ICT-ISAC Japan】は国内のISPを含む通信事業者に加え、放送事業者、ソフトウェアベンダー、情報提供サービス事業者、情報関連機器製造事業者等、幅広い分野の会員と連携しサイバーセキュリティの観点から安全な情報通信技術(ICT)社会の形成に寄与する活動を推進しております。

ICT-ISAC Japanでは2017年8月25日に発生した海外から流入した大量の異常な経路情報による通信障害について、会員間で情報の共有、対応等の議論を進めてきました。

今回のような事象の早期発見を目的として、2006年より構築運用してきた経路奉行(*1)では、今回流入した異常な経路情報はすべてログとして記録しており、一部は適切にアラートとして発信しました。また、ログ解析により今回の事象の早期の原因の究明にも役立てることができました。

しかしながら、大量の異常な経路情報に対してより効果的な対応方法が必要なことが判明し、また今回の事象により経路奉行の改善も必要であることも明らかになりました。

今回のような大規模な通信障害を起こした経路情報の異常を完全に防ぐことは難しいものの、早期に異常を検知し会員間で情報共有することで早期の対応が可能となります。

ICT-ISAC Japanでは引き続きインターネットの安定運用に向けた努力を継続してまいります。

(*1) 経路奉行
経路ハイジャック検知システム。会員ISPをはじめとする日本国内ISPから提供されるBGP経路情報を元に、インターネット運用に支障をきたす異常な経路情報の発生を監視する。